ゲームのBGMを外注したいけれど、いくらかかるのか分からない——という相談をよくいただきます。結論から言うと、同じ「BGM1曲」でも数千円から数十万円まで開きがあります。だからこそ、相場の数字だけを見るより、何で価格が決まるのかを知っておくほうが、見積もりを比べるときに役に立ちます。
この記事では、依頼先ごとの相場、費用を左右する5つの要素、そして当スタジオ(ゲーム音楽15年・ゲーム会社所属11年目)の実際の料金と納期を公開します。
ゲームBGM・効果音の費用相場(依頼先別)
まず、依頼先によって相場が大きく変わります。2025〜2026年時点の情報をもとに、ざっくり整理します。
個人のアマチュアクリエイター:1曲1,000円〜数万円
趣味や副業で活動している層。価格は安いものの、クオリティや納期の安定性にばらつきがあります。締め切りのあるプロジェクトでは、そのリスクも込みで考える必要があります。
個人のプロクリエイター:1曲1万円〜数十万円
本業として活動している層。ココナラなどでは2〜3万円前後の価格帯が多く見られます。ジャンルや尺、著作権譲渡の有無で大きく変動します。窓口が作曲者本人なので、意図が伝わりやすく修正も速いのが利点です。
音楽制作会社:30秒ショートで7万円〜、2〜3分の通常BGMで10万円〜
スマホゲームのBGM制作の場合の目安。複数のクリエイターを抱えているため幅広いスタイルに対応でき、大量発注にも強い反面、価格は高めになります。
同じBGM1曲でも、依頼先によってこれだけ開きます。形のない音という商品である以上、明確な一律相場が存在しないのがこの分野の特徴です。
相場の幅が広いということは、「安い=お得」でも「高い=安心」でもないということ。価格が何で決まっているかを知らないまま比較すると、判断を誤ります。
費用を左右する5つの要素
ゲームBGMの価格は、主に次の5つで決まります。見積書を読むときは、この5点がどう扱われているかを確認してください。
① 曲の長さ(尺)
多くのクリエイターが、30秒・60秒・90秒・2〜3分のように尺で価格を分けています。長くなるほど、飽きさせない構成やメロディの工夫が必要になり、作業工程が増えるためです。ループ前提の短いBGMなら、費用を抑えやすくなります。
② ジャンル・編成
ピアノ1本のシンプルなBGMと、フルオーケストラのバトル曲では、使う音色も打ち込みの手間も全く違います。楽器数が多く、構成が複雑なほど価格は上がります。「タイトル画面は静かなピアノ、ボス戦だけオーケストラ」のように配分すると、全体の予算を抑えられます。
③ 生演奏・生楽器の有無
生楽器の録音や演奏者の手配が入ると、価格は大きく上がります。打ち込みだけで完結する場合より、コストも制作期間もかかるためです。効果音でも、収録を伴う環境音は打ち込みや素材加工より高くなります。
④ 著作権の扱い
著作権を譲渡してもらうのか、利用許諾(ライセンス)にとどめるのか。譲渡の場合は買い取りに近くなるため、価格が上がるのが一般的です。ここは後からもめやすいポイントなので、発注前に必ず確認してください。グッズ展開やサントラ販売、続編での流用を考えているなら、譲渡または広めの許諾が必要になります。詳しくはBGMの著作権、譲渡と使用許諾はどう違うのかで解説しています。
⑤ 修正回数と納期
「修正無制限」をうたっていない限り、無料修正には回数の上限があります。何回まで無料か、全面的な作り直しはどう扱われるかを見積もり段階で確認しておくと、後から追加費用が発生しても納得できます。短納期を希望する場合に特急料金がかかるかどうかも同様です。
逆に言えば、この5点を先に決めて伝えられる発注者ほど、正確で安い見積もりが早く出てきます。
当スタジオの料金と納期(実例)
参考までに、当スタジオ(illmatic studio)の料金を公開します。相場に照らすと「個人プロの上位〜制作会社の下限」あたりの価格帯です。すべて税抜、マスタリング・ループ加工・各種形式書き出し込みです。
- BGM:1曲30,000円〜(最短5日・標準10日以内でお届け/長さと構成で変わります)
- 長尺のBGM(2分以上):50,000円〜
- 効果音:1点2,000円〜/録音を伴う環境音・背景音は1点3,000円〜/10秒以内のジングル・サウンドロゴは効果音扱いで1点5,000円〜(10点前後なら5日以内)
- ミックス・マスタリングのみ:1曲10,000円〜(3日以内)
- ゲーム1本分の一括パッケージ:200,000円〜(BGM5曲+効果音10点)
フルオーケストラ編成や、複雑なソロを含むジャズなどをご希望の場合は70,000円〜。これは前述の②「ジャンル・編成」が大きく効いてくるためで、扱う音色数もアレンジの密度も変わります。
修正は軽微なものであれば2回まで無料です。大幅な変更をご希望の場合は、追加料金(2,000円〜)をご提案します。著作権の譲渡にも対応していますので、ご希望の場合は見積もり時にお申し付けください。
この価格設定にしている理由はシンプルで、ゲーム会社で長年やってきた経験と、作曲からミックス・マスタリングまでワンストップで仕上げられることを前提にしているからです。窓口が1人なので、発注から納品までのやり取りが速いのも利点だと思っています。
最新の料金表と試聴サンプルは制作のご依頼ページにまとめています。
見積もりを取る前に決めておきたい5つのこと
次の5点をメモにして渡すだけで、見積もりの精度とスピードが大きく変わります。「まだ全部は決まっていない」という状態でも、分かる範囲で構いません。
- 使う場面と曲数:タイトル、フィールド、戦闘、ボス、イベント……どの場面に何曲必要か
- 1曲あたりの尺とループの有無:ゲーム内BGMならループ前提かどうか
- 雰囲気の参考音源:既存のゲームや楽曲を2〜3曲挙げるのが最も速い
- 納品形式:wav/ogg/mp3、サンプルレート、ループポイントの指定方法
- 権利の範囲:譲渡が必要か、商用利用・サントラ販売・続編流用の予定はあるか
特に3つ目の参考音源は効果が大きく、文章で「壮大な感じ」と伝えるより、参考曲を1曲挙げてもらったほうが認識のズレが激減します。結果として修正回数が減り、費用も納期も圧縮できます。
よくある質問
著作権は譲渡してもらえますか?
対応しています。ご希望の場合は見積もりの段階でお申し付けください。譲渡か利用許諾かで条件が変わるため、想定している使い方(ゲーム内のみ/サントラ販売/動画広告への転用など)もあわせて教えていただけると正確にご案内できます。
修正は何回まで無料ですか?
軽微な修正であれば2回まで無料です。全リテイクや大幅な方向転換をご希望の場合は、追加料金(2,000円〜)をご提案したうえで進めます。
効果音だけの依頼もできますか?
可能です。1点2,000円〜、収録を伴う環境音は1点3,000円〜で承っています。10点前後のご依頼であれば5日以内に納品しています。
予算が決まっていないのですが、相談だけでも大丈夫ですか?
お見積もり・ご相談は無料です。「予算◯万円でどこまでできるか」という聞き方でも構いません。2営業日以内にご返信します。
まとめ
- ゲームBGMの相場は依頼先で大きく変わる。アマチュア数千円〜、個人プロ1万円〜、制作会社7〜10万円〜が目安
- 費用は「尺・ジャンルと編成・生演奏の有無・著作権の扱い・修正回数と納期」の5要素で決まる
- 当スタジオはBGM1曲30,000円〜、効果音1点2,000円〜。修正2回まで無料、著作権譲渡にも対応
- 使う場面・尺・参考音源・納品形式・権利の範囲を先に決めておくと、見積もりが速く安くなる
相場に一律の正解はありません。だからこそ、価格を決めている要素を理解したうえで、自分のプロジェクトに必要な条件を整理して比較するのが、いちばん失敗しない進め方だと思っています。
あわせて読みたい
- ゲーム1本にBGMは何曲必要か【ジャンル別の目安と発注リストの作り方】
ジャンル別の曲数目安と、発注リストの作り方。 - BGM・効果音の発注仕様書の書き方【コピペで使えるテンプレート付き】
コピペで使える発注仕様書のテンプレート付き。 - フリーBGMとオリジナル制作、どちらを選ぶべきか
フリー素材とオリジナル、どちらを選ぶかの判断基準。 - ゲームサウンド発注チェックリスト【BGM・効果音の仕様書テンプレート一式つき】
見積もり前に決めておく項目を、チェックリストにまとめました。
ゲームBGM・効果音の制作を承っています
ゲーム音楽15年・ゲーム会社所属11年目のクリエイターが、作曲からミックス・マスタリング、ループ加工まで一貫して対応します。BGMは1曲30,000円〜(税抜)、効果音は1点2,000円〜。お見積もり・ご相談は無料、2営業日以内にご返信します。













コメントを残す