ゲーム音楽の単価相場は、結論から言うと幅が広い。同じ「BGM1曲」でも、数千円から数十万円まで開きがある。だからこそ、相場の数字だけを見るより、価格を決める要素を理解することが大事だ。この記事では最新の相場をまとめたうえで、自分の価格設定も実例として公開する。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
ゲーム音楽・BGMの相場一覧(依頼先別)
まず、依頼先によって相場が大きく変わる。2025〜2026年時点の情報をもとに、ざっくり整理する。
個人のアマチュアクリエイター:1曲1,000円〜数万円
趣味や副業で活動している層。価格は安いが、クオリティや納期の安定性にばらつきがある。
個人のプロクリエイター:1曲1万円〜数十万円
本業として活動している層。ココナラなどでは2〜3万円前後の価格帯が多い。ジャンルや尺、著作権譲渡の有無で大きく変動する。
音楽制作会社:30秒ショートで7万円〜、2〜3分の通常BGMで10万円〜
スマホゲームのBGM制作の場合の目安。複数クリエイターで幅広いスタイルに対応できる反面、価格は高めになる。
同じBGM1曲でも、依頼先によってこれだけ開く。「形のない音という商品だからこそ、企業や制作者によってかなり開きがある」と複数の制作会社も説明している。明確な一律相場が存在しないのが、この分野の特徴だ。
相場の幅が広いということは、価格設定の自由度が高いということでもある。だからこそ「何で価格が決まるか」を理解しておく必要がある。
価格を左右する4つの要素
ゲーム音楽の価格は、主に次の4つの要素で決まる。
① 曲の長さ(尺)
多くのクリエイターが、30秒・90秒・2〜3分のように尺で価格を分けている。長くなるほど、飽きさせない構成やメロディの工夫が必要になり、作業工程が増えるからだ。
② ジャンル
ピアノ1本のシンプルなBGMと、フルオーケストラのバトル曲では、使う音色も打ち込みの手間も全く違う。楽器数が多く、構成が複雑なほど価格は上がる。
③ 生演奏・楽器の有無
生楽器の録音や演奏者の手配が入ると、価格は大きく上がる。打ち込みだけで完結する場合より、コストも手間もかかるためだ。
④ 著作権の扱い
著作権を譲渡するのか、利用許諾にとどめるのか。譲渡の場合は買い取りに近くなるため、価格が上がる。ここは料金に直結する重要なポイントだ。
逆に言えば、自分の価格を決める時もこの4要素を基準にすれば、根拠のある見積もりが作れる。
自分の価格設定の実例
参考までに、僕の価格設定を公開する。
- 2分以内のBGM(お任せ):35,000円〜
- 複雑なソロを含むジャズ、ハリウッド映画音楽をレファレンスにしたフルオーケストラ:70,000円〜
前述の相場に照らすと、「個人プロの上位〜制作会社の下限」あたりに位置する価格帯だ。アマチュア層の数千円とは明確に距離を置いている。
この設定にしている理由はシンプルで、ゲーム会社で長年やってきた経験と、作曲からミックス・マスタリングまでワンストップで仕上げられるスキルを前提にしているからだ。価格は、自分が提供できるクオリティへの自己評価でもある。
フルオケやジャズで価格が上がるのは、4要素のうち「ジャンルの複雑さ」と「楽器数」が大きく効いてくるからだ。フルオーケストラは扱う音色が多く、アレンジの密度も上がる。複雑なソロを含むジャズも、演奏表現の作り込みに手間がかかる。だから通常のBGMより高い価格を設定している。
価格は「自分が何を提供できるか」と「その作業にどれだけの手間がかかるか」で決まる。相場は参考にするが、相場に合わせて自分を安売りする必要はない。
副業DTMerが価格を決める時の考え方
これから価格を決める副業DTMerに向けて、考え方を整理する。
まず、相場の真ん中に合わせる必要はない。安く設定すれば受注は増えるように思えるが、実際にはそうでもない。単価が高くても依頼したい人はいるし、安すぎると「安かろう悪かろう」の印象を与えるリスクもある。
次に、4要素を基準に「自分のサービスの価格表」を作っておくこと。尺・ジャンル・生演奏の有無・著作権の扱いで、いくら変わるかを自分の中で決めておく。これがあると、見積もりが速くなるし、価格の根拠を相手に説明できる。
最初は実績作りのために相場より低く設定するのも一つの戦略だが、レビューが積み上がったら早めに見直した方がいい。安い価格で居続けると、「安い人」のポジションが定着してしまう。
価格は一度決めたら固定するものではなく、実績とスキルに応じて育てていくものだと思っている。
まとめ
- ゲーム音楽の相場は依頼先で大きく変わる。アマチュア数千円〜、個人プロ1万円〜、制作会社7〜10万円〜が目安
- 価格は「尺・ジャンル・生演奏の有無・著作権の扱い」の4要素で決まる
- 自分の実例は2分以内BGMお任せ35,000円〜、フルオケやジャズは70,000円〜
- 相場の真ん中に合わせる必要はない。4要素で価格表を作り、実績に応じて育てる
ゲーム音楽の相場には明確な一律の正解がない。だからこそ、価格を決める要素を理解して、自分のスキルと作業量に見合った価格を設定することが大事だ。相場はあくまで参考。自分が納得できる価格で、納得できるクオリティを出す。それが長く続けるコツだと思っている。











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