Audiostockに200曲投稿してきた。具体的な月収は数千円〜1万円ほど。当初の予想より、ずっと少なかった。落胆もした。でも200曲を投稿して見えたものは、収入の数字以上に大きい。今振り返ると、200曲はゴールじゃなく、ようやくスタートラインに立てた地点だったと感じている。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
200曲投稿して、ようやくスタートラインに立てた気がする
「200曲も投稿したのに、月の収入が数千円〜1万円?」
そう思う人も多いと思う。実際、僕も当初は「もっといくはず」と勝手に期待していた。Xでフリー作家の成功例を見て始めたから、頭の中で勝手に夢を膨らませていた部分もある。
結果、現実は違った。
でも今振り返ると、200曲到達はストック音源の世界の入口に立ったタイミングだったと思う。ここから何ができるか、何を最適化していくか。本当の勝負はここからだった。
この記事では、200曲を投稿してきた歩みと、その過程で見えたことを書いていく。既にストック投稿を続けているけど伸び悩んでいる人に、何かのヒントになれば嬉しい。
ストック音源の本当の価値は、収入以上にある
先に言っておきたいのは、ストック音源の制作には収入以上のメリットがあるということ。
これは、200曲投稿してきて一番強く感じている部分だ。
- 「次はこのジャンルをやってみよう」という自由なチャレンジ感覚が、新しい引き出しや技術を与えてくれる
- クライアントからのリクエストに応えられる対応力が、ストック制作で鍛えられる
- 受託業務を始めるにあたって、すぐにポートフォリオが作れる
- コンペや公開案件に応募する時、サンプル楽曲がすぐに用意できる
特に最後の点は、初期の案件獲得に大いに役立った。
クライアントへの提案で「こういう方向性です」とサンプルを出すとき、既に作ってあるストック曲を少しカットして添付すればOK。このスピード感は、何もない状態から提案するのとは比べものにならない。
フリーランス業務でクライアントの要望に幅広く応えられているのも、ストック制作で多様なジャンルにチャレンジしてきた経験が、かなり寄与していると確信している。
「月10曲」を目標にした2年間の話
Audiostockへの投稿を本格的に始めようと思ったのは、X(当時はTwitter)でフリー作曲家たちの成功例を目にしたからだ。
「僕も頑張ればストック収入いけるか!?」
そんな気持ちで始めた。
当時のAudiostockには、月間の投稿(採用)楽曲数に応じて報酬パーセンテージが上がるシステムがあった。具体的な数字はうろ覚えだけど、5曲以上で報酬◯%アップ、10曲以上でさらに◯%アップ、みたいな仕組み。
そこで僕は、月10曲の投稿を目標にした。これを2年くらい続けたと思う。
もちろん他の業務もあるから、毎月10曲達成できたわけじゃない。途中達成できなかった月、完全に制作をストップした時期もあった。
達成のための工夫は、楽曲のタイプを組み合わせることだった。
- じっくり時間をかけて作るBGM(シネマティックや作り込み系)
- 演奏のニュアンスを残したり、楽器編成がシンプルなスピード制作BGM
この2タイプを月の中で組み合わせて、目標を達成していった。
この時期は、売れる曲や売れない曲のパターンなどはあまり考えず、「とにかく量」と割り切って毎月の目標達成だけを意識していた。今思えば、量で押すフェーズはこれで正解だったと思う。データが溜まらないことには、傾向も見えない。
100曲を超えると、傾向が見えてくる
100曲くらい投稿したあたりから、売れ行きの傾向が見えるようになった。
ここから制作するジャンルにも影響が出始めた。
シネマティック系のBGMは再生数が多い傾向があった。なので、時間がある時には積極的にチャレンジしていった。長めの構成、楽器の重ね方、ストリングスの動かし方など、じっくり作り込む価値のあるジャンルだ。
シンプルな編成で人気だったのは、可愛い系や明るい系統のポップス。これは時間がない時に「2日以内に作り切る!」みたいなチャレンジ感覚で量産していった。スピード制作と相性のいいジャンルだ。
もう一つ、これは全体的な人気ジャンルではないけど、僕の場合はホラー系の楽曲の売れ行きが良かった。今でも月々のストック収入の柱の一つになっている。
このジャンル別の傾向は、自分で投稿してみてはじめて見えるものだ。他の作家の成功例をそのまま自分に当てはめても、たぶん最適化はできない。自分の作風と市場のニーズが交差する場所は、やってみないと分からない。
200曲投稿時点の現実と、一時停止の判断
200曲を投稿した時点で、月のストック収入は数千円〜1万円くらいだった。
正直に言うと、これは当初予想していたよりずっと少なかった。落胆したのを覚えている。
2022年くらい、ちょうどこのタイミングで2つのことが重なった。
- リソースを大幅に投入すべきプロジェクトへの参加が決まった
- Audiostockの仕様変更があり、「月間投稿数による報酬パーセンテージアップ」が「年間売上高に応じた報酬率アップ」に変わった
この2つを受けて、継続投稿を一旦停止した。
ただ、停止した後も月に数千円は継続的に収入が入り続けた。これがストック音源の面白いところで、過去に投稿した曲が、自分が何もしなくても少しずつ働き続けてくれる。
「ストック収入を拡大したい」とずっと思いながら、後手に回ってきた
投稿を停止していた数年間、ずっと頭の片隅にあったのは「このストック収入を拡大したい」という気持ちだった。
でも、なかなか手をつけられなかった。
目の前で進行中のプロジェクトや、新規の依頼案件に集中していると、どうしてもストック制作は後手に回る。締切がない分、特にそうなりやすい。
これがストック投稿のリアルな課題だ。
誰かに「この曲を◯月◯日までに納品してください」と言われる仕事と違って、ストックは自分でしか自分の尻を叩けない。優先度を意識的に上げないと、いつまでも後ろに押しやられる。
2026年、投稿を再開している
そして今、2026年に入ってから、投稿を再開している。
200曲は通過点だったと、再開してから改めて気づいた。ストック音源の本当のスタートは、量を積んだ後にやってくる運用フェーズにある。タイトル、メタデータ、ジャンル選定、傾向分析。投稿しただけでは届かない場所に、ようやく手が届き始める。
200曲投稿して落胆したことも、いま振り返ると必要な過程だった。データが溜まったから傾向が見えた。傾向が見えたから、最適化の方向性が見えた。
これから何が起きるかは、まだ分からない。でも、過去の自分が積んだ200曲が今の自分を支えてくれていることだけは、確かだ。
まとめ
- Audiostockに200曲投稿しても、月収は数千円〜1万円。期待していたより少なかった
- でもストック制作は収入以上に、技術・対応力・ポートフォリオの蓄積に貢献した
- 最初の100曲は「とにかく量」で正解。データが溜まらないと傾向は見えない
- 100曲を超えると、自分の作風と市場の交差点が見えてくる
- 停止していても月数千円は入り続ける。過去に投稿した曲が働き続けてくれる
- 本当のスタートは、量を積んだ後の運用フェーズにある
これからストック投稿を続けていく人、伸び悩んでいる人にとって、200曲という地点は通過点だと思って続けてほしい。落胆するタイミングがあっても、その後ろにスタートラインがある。











コメントを残す