音楽を仕事にしたら、無音が好きになった。これは感覚が研ぎ澄まされた話じゃない。ただ、耳が疲れるようになった、というだけの話だと思う。
昔は、常に何か聴いていたかった
10代、20代の頃は、無音が苦手だった。
移動中はイヤホン。食事中も音楽。部屋にいれば何かしら流していた。音楽がないと手持ち無沙汰というか、何か物足りない感覚があった。
好きなバンドを聴き込んで、新しいアーティストを探して、気づいたら何時間も経っていた。音楽を浴びることが、そのまま楽しかった時代だ。
今は、車の中でも無音にしている
いつの間にか、変わっていた。
車を運転している時、音楽をつけなくなった。食事中も、ほぼ無音だ。家でぼんやりしている時間も、BGMを流そうという気が起きない。
「聴きたい曲がない」というより、「音を入れたくない」という感覚に近い。
仕事中、ずっと音と向き合っているからだと思う
理由は、たぶんシンプルだ。
制作中は、常に音を聴いている。レファレンスを確認する。自分のミックスを何度も聴き返す。効果音の細かいニュアンスを調整する。1日の中で、耳を使っていない時間がほとんどない。
だから、仕事が終わった後に音楽を聴こうという気にならないんだと思う。「好きなものを食べ続けると、飽きる」という感覚に近い。ただ、飽きではなく、疲労だ。
無音が、休息になった
以前は無音が落ち着かなかった。今は無音が、心地よい。
車の中で聴こえるのはエンジン音とロードノイズだけ。それで十分だと思うようになった。食事中は、ただ食べることに集中できる。音がないと、頭の中が静かになる。
これを誰かに話すと「音楽が好きじゃなくなったの?」と聞かれることがある。そうじゃない。好きなアーティストの新作は聴く。気になる曲は聴く。ただ、「流す」という聴き方が、なくなった。
音楽が嫌いになったんじゃない。無音が休息になった、というだけのことだ。
まとめ
- 昔は無音が苦手で、常に何か音楽を流していた
- 仕事でレファレンスやミックスを聴き続けるようになり、耳が疲れるようになった
- 今は車の中も食事中も、無音が多い
- 無音が苦手になったわけじゃなく、無音が休息になった
- 音楽が嫌いになったわけじゃない。「流す」という聴き方がなくなっただけだ
音楽を仕事にすると、音楽との距離感が変わる。それが良いとか悪いとかじゃなく、ただそうなった。そういう話だ。











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