ゲーム音楽の依頼を受ける前に確認すべきこと【トラブル回避の6項目】

ゲーム音楽の依頼は、着手前の確認でトラブルの大半を防げる。あとから「イメージと違う」「ループ仕様が必要だった」と発覚すると、お互いに余計な手間がかかる。依頼を受ける前に必ず確認している項目を、実体験をもとに整理する。

この記事の目次(クリックでジャンプ)

① レファレンス曲

一番重要なのがレファレンス曲の確認だ。「こういう雰囲気の曲がほしい」というイメージを、言葉だけで正確に共有するのは難しい。具体的な曲があると、方向性のズレを大きく減らせる。

依頼時にレファレンスを提示してくれるクライアントもいるが、ない場合はこちらからYouTubeなどで探して「こういう感じを想定しています」と提案する。それに対して合意をもらってから制作を進める。

この一手間が、後のリテイクを大幅に減らす。完成してから「思っていたのと違う」となるのが一番もったいない。着手前に方向性をすり合わせておくことが、結果的にお互いの時間を守る。

レファレンスのすり合わせは、制作前にやる一番費用対効果の高い作業だ。ここを省くと、後で何倍もの手戻りが発生する。

② 納期

納期は依頼時に相手から伝えられることが多いが、指定がない場合はこちらから提示する。

見積もりと一緒に「10日以内に制作済み音源をご用意するスケジュールです」のように具体的な日数を投げておく。曖昧なまま進めると、相手の想定と食い違うことがある。先に明示しておけば、認識のズレを防げる。

納期を自分から提示することには、もう一つメリットがある。自分のスケジュールを主導権を持ってコントロールできることだ。相手の「いつまでに」を待つのではなく、こちらの制作ペースに合った現実的な納期を先に出せる。

③ ファイル形式・著作権の扱い

納品するファイル形式の確認も必要だ。WAVなのかMP3なのか、サンプルレートやビット深度の指定があるか。ゲームに実装する場合、特定の形式が求められることもある。

著作権の扱いも事前に確認しておく。著作権を譲渡するのか、利用許諾の範囲はどこまでか。これは料金にも関わる重要な項目だ。著作権譲渡の場合は、その分を価格に反映させる必要がある。

これらも依頼時に相手から伝えられることが多いが、指定がなければ見積もりの段階で確認しておく。後から「著作権も込みだと思っていた」というトラブルを避けるためだ。

④ ループ仕様

ここからはゲーム音楽特有の確認項目だ。まずループ仕様。

ゲームのBGMは、シーン中ずっと流れ続けるためループ再生されることが多い。ループが必要かどうか、相手から指定がなければ必ず尋ねる。ループ前提で作るのと、そうでないのとでは、楽曲の構成や終わり方の設計が変わってくる。

ループありの場合、つなぎ目が自然に繰り返されるように作る必要がある。イントロを別に用意するか、頭から綺麗にループさせるか、といった仕様も確認しておく。実装方法によって書き出し方が変わるので、ここは着手前に詰めておきたい。

一般的なBGM依頼にはない、ゲーム音楽ならではの確認ポイントだ。これを見落とすと、完成後に作り直しになることがある。

⑤ 尺の指定

楽曲の長さも、料金と納期に直結する重要な項目だ。

尺の指定がない場合は、見積もり時に想定を一緒に提示する。「2分以内の楽曲の想定で、この価格・納期です」のように、前提を明示しておく。これをやっておかないと、後から「もっと長い曲を想定していた」となった時に、価格と納期の再交渉が必要になる。

ループ曲の場合、ループ前の実尺がどのくらいかも関わってくる。30秒のループと2分のループでは、制作の手間が変わる。尺の前提を先に共有しておくことで、見積もりの根拠が明確になる。

⑥ リテイク回数

リテイク(修正)の回数は、事前に「2回まで無料」と取り決めている。

以前は「軽微な修正は無料対応」という形で、回数を決めずに受けていた。でも、細かい修正を延々と繰り返してくるクライアントに疲弊したことがあった。「軽微」の線引きが曖昧だと、際限なく修正対応に時間を取られてしまう。

そこで回数を明確に決めた。今のところ、これで問題なく回っている。回数を先に伝えておくことで、クライアント側も「この修正は使うべきか」を考えてくれるようになる。お互いにとって健全な進め方だと思っている。

レファレンスのすり合わせをしっかりやっておけば、そもそも大きなリテイクは発生しにくい。①の確認と⑥のルールは、セットで効いてくる。

無制限の無料修正は、善意のつもりでも自分を消耗させる。回数を決めることは、お互いの時間を尊重するためのルールだ。

まとめ

  1. レファレンス曲:なければこちらから提案して、方向性を着手前にすり合わせる
  2. 納期:指定がなければ見積もりと一緒に具体的な日数を提示する
  3. ファイル形式・著作権:形式の指定と著作権の扱いを事前に確認。料金にも関わる
  4. ループ仕様:ゲーム音楽特有の項目。指定がなければ必ず尋ねる
  5. 尺の指定:見積もり時に想定を提示。価格と納期の根拠を明確にする
  6. リテイク回数:「2回まで無料」で取り決める。無制限は自分を消耗させる

依頼前の確認は、面倒に見えて一番の時短になる。着手前に項目を押さえておけば、制作に集中できて、トラブルも減る。特にレファレンスとリテイク回数は、後の手戻りを大きく左右する。これからゲーム音楽の依頼を受ける人の参考になればと思う。

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