効果音(SE)制作の始め方【ゲーム向けSEの作り方と納品形式】

ゲーム向けの効果音(SE)制作は、作り方と納品の型を押さえれば始められる。BGMは作れるけどSEは未経験、という人も多い。でも、ゲーム制作の現場ではSEの需要は大きいし、対応できると仕事の幅が広がる。実際の作り方と納品形式を、実務ベースで解説する。

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SEの音源は大きく3つ

ゲーム向けSEの音源は、大きく3つに分けられる。

  • シンセで作る:UI系やエフェクト系の音に向く
  • サンプル素材集を加工する:購入した素材集を編集して作る
  • 自分で録音した素材から作る:録り貯めた音を加工する

自分の場合、比率としてはシンセで作ることが一番多い。ゲームのSEはUI系やエフェクト系の音が多くなるので、自然とシンセの出番が増える。残りを、サンプル素材の加工や自録り素材でまかなうイメージだ。

シンセ中心がおすすめな理由

SE制作を始めるなら、まずシンセで作るのがおすすめだ。理由は二つある。

一つは、ゲームで必要になるSEの多くがUI系・エフェクト系だから。ボタンを押した時の音、メニューを開く音、アイテムを取得した時の音。こういった音は、シンセで一から作る方が自由度が高く、ゲームの世界観に合わせて調整しやすい。

もう一つは、制作スピードだ。自分はOmnisphereを一番よく使う。音色によってはLogic純正のシンセも使う。長く使ってきたシンセは、「こういう音にしよう」と思ってから音作りのアタリをつけるのが早い。使い込むほど制作スピードが上がる。

これはSEに限った話ではないけれど、定番のシンセを一つ決めて使い込むと、引き出しが増えて作業が速くなる。新しいプラグインを次々に試すより、手に馴染んだものを深く使う方が、SE制作では有利に働く。

使い慣れたシンセは、音作りのアタリをつけるのが速い。SEは数を作ることも多いので、この速さが効いてくる。

演出系の音は収録素材から作る

一方で、シンセが向かない音もある。演出系のリアルな生活音だ。

ドアをノックする音、鍵を開ける音。こういった現実の物理的な音は、収録素材から作る方が自然だ。シンセで再現しようとすると、かえって手間がかかるし、リアリティも出にくい。

こういう音のために、サンプル素材集を持っておくと便利だ。自分で録り貯めた素材があれば、それも活用できる。日常の中で「これはSEに使えそう」という音を録音しておくと、素材のストックが増えていく。

シンセと収録素材、両方を使い分けることで、対応できるSEの幅が広がる。UI・エフェクト系はシンセ、演出系は収録素材、という基本の振り分けを覚えておくといい。

素材加工の工程

収録した素材やサンプルを加工する時の、基本的な工程を紹介する。

① ノイズ除去
収録した素材は、まずノイズを取る。自分はiZotope RXを使っている。環境ノイズや不要な音を除去して、クリーンな状態にする。

② EQ・コンプで質感を整える
EQで不要な帯域を削ったり強調したりして、音の質感を整える。コンプで音の粒立ちやアタックを調整する。ゲーム内で鳴らした時に埋もれない音にするのが狙いだ。

③ ピッチ調整
必要に応じてピッチを変える。同じ素材でもピッチを変えるだけで違う印象の音になる。一つの素材から複数のバリエーションを作ることもできる。

この工程を経ることで、素材そのままではなく、ゲームに使える「仕上がった音」になる。特にノイズ除去は、収録素材を使う場合は欠かせない工程だ。

納品形式の基本

ゲーム向けSEの納品形式について、基本を整理する。

ファイル形式:WAV 24bit/48kHz が基本
特に指定がなければ、WAVの24bit/48kHzで納品することが多い。ゲーム制作の標準的な形式だ。プロジェクトによって指定がある場合は、それに従う。

ループ指定は稀
BGMと違い、SEはループ指定が必要なケースは少ない。単発で鳴る音がほとんどだからだ。ただし、環境音など一部ループが必要な音もあるので、仕様は事前に確認する。

命名規則
プロジェクトで指定の命名規則があれば、それに準拠する。指定がなければ、door_open_01 のように「対象_動作_連番」でわかりやすく付ける。命名が整理されていると、実装する側が扱いやすい。

納品形式は、相手が実装しやすいかどうかを意識すると喜ばれる。特に命名規則は、数が多くなるSEだからこそ丁寧にやっておきたい。

SEは数が多くなりがちだから、命名規則を整えておくだけで実装側の負担が大きく変わる。こういう細かい配慮が、リピートにつながると考えている。

まとめ

  1. SEの音源は「シンセ/サンプル素材加工/自録り素材」の3つ。シンセ中心が作りやすい
  2. UI・エフェクト系はシンセ、ドアや鍵などの演出系は収録素材から作る
  3. 使い慣れたシンセ(OmnisphereやLogic純正)を使い込むと制作が速くなる
  4. 素材加工はノイズ除去(RX)→EQ・コンプ→ピッチ調整(必要があれば)の工程
  5. 納品はWAV 24bit/48kHzが基本。ループ指定は稀。命名規則を整える

SE制作は、型を覚えてしまえば難しくない。BGMが作れるなら、SEも十分に対応できる。作曲だけでなくSEも納品できると、ゲーム制作の現場では重宝される。まずは使い慣れたシンセで、簡単なUI音から作ってみるのがおすすめだ。

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