ゲーム音楽の仕事で消耗しないための案件の選び方

ゲーム音楽の仕事で消耗しないためには、二つの軸が要る。一つは「受けない案件を見極めること」、もう一つは「自分のキャパを守ること」だ。案件選びというと前者ばかり注目されがちだけど、後者も同じくらい大事だと思っている。長く続けるための案件の選び方を、実体験からまとめる。

この記事の目次(クリックでジャンプ)

この記事の目次(クリックでジャンプ)

受けない案件を見極める

消耗する案件には、いくつか共通したパターンがある。公募の段階で見極められるものが多いので、特徴を知っておくと避けられる。

予算が極端に少ない案件
「オリジナルソングを5,000円で」のような案件は、予算の問題だけでなく、制作物の価値への認識がズレていることが多い。交渉で折り合っても、納品後の満足度が低くなりやすい。

公募の文章・言葉遣いに違和感がある案件
論理が飛んでいたり、敬語が不自然だったり。これは単純なミスではなく、コミュニケーションのスタイルが表れている。やり取りが始まってからも同じことが起きやすい。

過去の依頼の不満を書いている案件
「前の人に裏切られた」「クオリティが低かった」という文章は、警戒心の高さを示している。こちらが丁寧にやっても、その警戒のフィルター越しに評価される。

こだわりが強く「叶えられる前提」の案件
「私の設定を完全に再現してください」系の依頼。こだわり自体は悪くないが、それが叶えられて当然という姿勢の場合、制作済みの音源を聴いて「イメージと違うのでキャンセル」となりやすい。

契約前サンプルを求める案件
「契約前に20秒サンプルを作ってください。イメージに合う方と契約します」という形式。サンプルだけ集めることを目的にした、悪質なケースもある。同じ依頼者が同じ条件で繰り返し募集しているのを見かけることもある。

これらの見極めについては、リピートされる仕事の作り方の記事でも詳しく触れているので、合わせて読んでみてほしい。

消耗する案件は、たいてい最初の違和感に表れている。その違和感を無視して受けると、後で必ず跳ね返ってくる。

自分のキャパを守る

案件そのものに問題がなくても、自分のキャパを超えて受けると消耗する。ここは案件の見極めとは別に、意識しておく必要がある。

仕事以外のスケジュールも含めて判断する
案件を受けるかどうかは、制作のスケジュールだけで決めない。仕事以外の予定も含めて考える。

たとえば、家族がらみの大きな用事がある時期に重めの案件を抱えると、どちらにも集中できなくなる。結果として両方が中途半端になり、消耗する。自分の場合、プライベートの状況を無視して仕事だけで判断すると、精神的なバランスが崩れやすい。

「あと2〜3件受けられる」バッファを残す
スケジュールをパンパンに埋めない。「ちょっと頑張れば、あと2〜3件は受けられる」くらいの余白を常に持っておく。

このバッファがあると、急ぎの案件が来た時にも対応できるし、何より精神的に安定する。常に全力で埋まっている状態は、一見効率がいいように見えて、不測の事態に弱い。一件トラブルがあるだけで全体が崩れる。

余白を持っておくことは、サボりではない。安定して長く続けるための、戦略的な余裕だ。

キャパいっぱいまで詰め込むと、一つのトラブルで全部が崩れる。バッファは、自分の精神を守るための保険だ。

まとめ

  1. 消耗しないためには「受けない案件の見極め」と「自分のキャパを守る」の両方が要る
  2. 予算が極端に低い・文章に違和感・過去の不満を書く・こだわり過剰・契約前サンプル要求の案件は避ける
  3. 案件は仕事以外のスケジュールも含めて受けるか判断する
  4. 「あと2〜3件受けられる」バッファを常に残しておく

消耗しない案件の選び方は、悪い案件を避けることと、自分の限界を超えないことの両輪で成り立つ。どちらか片方だけでは、いつか消耗する。長く続けるためには、仕事の質だけでなく、自分の状態を守る視点が欠かせないと思っている。

― お知らせ ―

音で何か作りたい時、お声がけください

BGM、効果音、ミックス・マスタリングのご依頼を承っています。
ブログで書いてきたような姿勢で、丁寧に取り組みます。
2営業日以内にご返信いたします。

ゲーム音楽15年・Audiostock 200曲配信中
制作依頼ページへ →

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA