フィールドBGMの作り方【長時間聴いても飽きない曲の設計】

フィールドBGMは、ゲームの中で長時間流れ続ける曲だ。探索やマップ画面など、プレイヤーが何度も聴くことになる。だからこそ、プレイヤーが飽きないような設計が欠かせない。長く聴いても飽きないフィールドBGMをどう作るか、自分が意識していることをまとめる。

この記事の目次(クリックでジャンプ)

ループは「長め」を前提に作る

フィールドBGMは、最初から長めのループを前提に作るのがおすすめだ。

これは経験から得た教訓でもある。過去に制作した曲が、テストプレイ中に「これは飽きるな」と気づいたことが何度かあった。ループが短いと、同じフレーズが何度も繰り返されて、プレイヤーが早く飽きてしまう。そのたびに構成を変えて、ループを長くする作業が発生した。

後から長くするのは手間がかかる。だから今は、最初から長めの意識で作るようにしている。フィールドBGMは長時間流れることが前提なので、それに見合った尺で設計しておく方が、結果的に効率がいい。

短いループは、テストプレイで必ず「飽き」として跳ね返ってくる。最初から長めに作っておく方が、後の手戻りが少ない。

「谷」を作る

長いループを飽きさせないために、一番意識しているのが「谷」を作ることだ。

谷というのは、使用楽器を極端に減らして、情報量を少なくした箇所のことだ。曲の中に、音数がぐっと減って雰囲気が大きく変わるパートを入れる。別の曲になるとまではいかないけれど、それくらい印象が変わる「引いた」部分を作る。

この谷があると、曲全体にメリハリが生まれる。ずっと同じ密度で鳴り続ける曲は、長時間聴いていると疲れるし、単調に感じる。情報量の波を作ることで、聴き手の耳に休む場所ができる。

谷を作るもう一つの利点は、その後の展開がやりやすくなることだ。一度音数を減らして引いておくと、そこから盛り上げたい時に効果が出る。別の展開に入りたい時も、谷を挟むことで自然につなげられる。低いところがあるから、高いところが映える。

盛り上がりだけを連続させようとすると、かえって盛り上がりが感じられなくなる。谷を意図的に作ることが、結果的に山を引き立てる。これは長尺のフィールドBGMでは特に効いてくる設計だ。

谷があるから、山が映える。情報量を意図的に減らす箇所を作ることが、長い曲を飽きさせない鍵になる。

メロディは「ここぞ」で入れる

メロディの扱いも、飽きさせない設計の重要なポイントだ。

基本的な考え方は、耳に残りすぎない箇所と、印象的なメロディを入れる箇所を使い分けること。音数を多めにしたり、逆にアンビエント的に極端に少なくしたフレーズで、耳に残りすぎないパートを作る。そして「ここぞ」というところで、印象的なメロディを入れる。

自分は90年代、スーパーファミコン時代のゲーム音楽に強く影響を受けている。だから、わかりやすく耳に残るメロディがどうしても欲しくなる。あの時代の名曲たちが持っていた、口ずさめるようなメロディの力を信じている。

ただ、そのメロディを曲の最初から最後までずっと鳴らし続けると、長尺のフィールドBGMでは聴いていてしんどくなる。強いメロディは、それだけ主張も強いからだ。だからメリハリをつける。主張したい箇所と、主張を抑える箇所を分ける。

こうすることで、印象的なメロディはより際立つし、抑えた箇所は聴き手の耳を休ませる。主張したいところと、したくないところ、どちらも良い結果になる。これは「谷を作る」という考え方とも通じている。

まとめ

  1. ループは最初から「長め」を前提に作る。短いと必ず飽きとして跳ね返る
  2. 使用楽器を減らした「谷」を作る。情報量の波が、長い曲を飽きさせない
  3. 谷があると、その後の盛り上げや展開がやりやすくなる
  4. メロディは「ここぞ」で入れる。主張する箇所と抑える箇所を分けてメリハリをつける

フィールドBGMの飽きさせない設計は、「波を作ること」に尽きると思っている。ループの長さ、情報量の谷、メロディのメリハリ。どれも、一定にしないことで聴き手を飽きさせない工夫だ。長時間流れる曲だからこそ、緩急の設計が効いてくる。参考になればうれしい。

― お知らせ ―

音で何か作りたい時、お声がけください

BGM、効果音、ミックス・マスタリングのご依頼を承っています。
ブログで書いてきたような姿勢で、丁寧に取り組みます。
2営業日以内にご返信いたします。

ゲーム音楽15年・Audiostock 200曲配信中
制作依頼ページへ →

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA