作曲の『最初の一音』が決まらない時にやること

作曲をしていると、最初の一音がなかなか決まらないことがある。何を鳴らしてもしっくりこない。手が止まって、時間だけが過ぎていく。この感覚は、多くの人が経験するんじゃないかと思う。自分が手が止まった時にどうしているか、具体的な対処法を書く。

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手が止まるのは、たいてい「おまかせ」の時

まず前提として、自分の場合、依頼仕事で手が止まることはほとんどない。

依頼の場合は、たいていリファレンス曲が指定される。なければこちらから提案して、方向性を決めてから動く。行き先が決まっているので、最初の一音で迷うことが少ない。

手が止まりやすいのは、「おまかせ」の依頼や、完全オリジナルを作る時だ。方向性の指定がなく、自由度が高いほど、逆に最初の一歩が踏み出しにくくなる。選択肢が無限にあると、人は迷うものだ。

つまり、最初の一音が決まらない問題は、「自由すぎて方向が定まらない」ことが原因であることが多い。だから対処法も、自分なりに方向を作り出すアプローチになる。

まず音作りから入る

手が止まった時、自分がまずやるのは音作りだ。メロディやコードから考えるのではなく、音色そのものを作るところから始める。

シンセをいじって、かっこいい音を探す。あるいは作る。そうしているうちに、「これだ」という音が見つかると、テンションが上がる。そして不思議なもので、いい音が見つかると、それに乗せるフレーズが自然と出てくる。

これは、音色のイメージがフレーズの方向性を決めてくれるからだと思う。重く歪んだ音なら激しいフレーズが、きらびやかな音なら軽やかなフレーズが浮かぶ。音色が、曲の世界観の入り口になる。

メロディから入ろうとして手が止まるなら、順番を変える。音から入ると、頭で考えるのではなく、耳と感覚で曲が動き出す。これが自分には一番効く方法だ。

かっこいい音が一つ見つかると、そこからフレーズが連鎖的に出てくる。音色は、曲の世界観への入り口だ。

リズムパターンの上でジャムする

もう一つの方法が、リズムパターンを敷いて、その上でジャムすることだ。

まずドラムやパーカッションのパターンを敷き詰める。その上で、気ままに楽器を弾く。ジャムセッションのような感覚で、頭で考えずに手を動かす。決まりごとを作らず、ただ気持ちいいと思う方向に弾いていく。

リズムという土台があると、その上で自然と手が動く。無の状態から何かを生み出すのは難しいけれど、リズムが鳴っていれば、それに反応する形でフレーズが出てくる。何もないところに線を引くより、ガイドがある方が描きやすいのと同じだ。

このジャムの中から、使えるフレーズの断片が見つかることが多い。録音しておいて、後から「ここのフレーズが良かった」と拾い上げる。そこを起点に曲を組み立てていく。

それでもダメなら諦める

音作りでもジャムでも進まない。そういう時もある。その場合の最終手段は、潔く諦めることだ。

手が進まないなら、その曲は「そういう曲だった」と割り切る。無理に粘って時間を浪費するより、一度手放す。これは逃げではなく、判断だと思っている。

なぜなら、最初から別の曲に着手した方が、無駄がないからだ。どうしても乗らない曲に何時間もかけるより、新しい曲を始めた方が、結果的にいいものが早くできる。乗らない時は、何をやっても乗らない。それなら切り替えた方がいい。

諦めた曲のアイデアは、消えるわけではない。音作りで作った音や、ジャムで録ったフレーズは、別の曲で活きることもある。完全な無駄にはならない。だから、諦めることに罪悪感を持つ必要はないと思っている。

乗らない曲を粘るより、次の曲に行く方が無駄がない。諦めは逃げではなく、時間を有効に使うための判断だ。

まとめ

  1. 手が止まるのは、たいてい「おまかせ」や完全オリジナルなど、方向が自由すぎる時
  2. まず音作りから入る。かっこいい音が見つかるとフレーズが連鎖的に出てくる
  3. リズムパターンを敷いてジャムする。土台があると手が自然に動く
  4. それでもダメなら諦める。次の曲に行く方が無駄がない

最初の一音が決まらない時は、頭で考えるのをやめて、音やリズムに頼るのが効く。音作りやジャムから入ると、感覚が動き出して曲が転がり始める。そして、どうしても乗らない時は潔く諦める。この割り切りも、長く作り続けるためには大事なことだと思っている。

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