DAWをインストールした。でも、何から始めればいい?
DTMの始め方で迷う人は多い。画面を開いても機能が多すぎて、最初にやることが分からない。これはDTMあるあるだ。
僕はゲーム音楽制作を15年やっている。Logic Proを使い始めた頃は、同じように途方に暮れた。マニュアルを読んでも、何が重要で何が後回しでいいのか分からなかった。
DTMの始め方で大事なのは「完璧な曲を作ること」じゃない。「音を出して、何でもいいから1曲完成させること」だ。この記事では、最初の1ヶ月でやるべきことを優先順で整理する。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
DTMの始め方①|まずオーディオ設定を済ませる
最初にやることは、音が出る環境を整えること。
DAWを開いて真っ先にやるのは以下の3つだ。
- オーディオインターフェースの認識確認
- サンプルレート設定(44.1kHzか48kHz)
- バッファサイズの調整(256〜512程度)
Logic Proなら「設定」→「オーディオ」で確認できる。他のDAWでも「Preferences」や「Audio Settings」に同様の項目がある。
ここで躓くと、この先ずっとトラブルに悩まされる。音が出ない、レイテンシーがひどい、ノイズが乗る。こういった問題の8割はオーディオ設定が原因だ。
最初にオーディオインターフェースを持っていない人もいると思う。正直、最初はMacの内蔵オーディオでも始められる。ただ、本格的にやるなら早めに導入したほうがいい。録音品質とレイテンシーが段違いだ。
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DTMの始め方②|付属音源だけでドラムを鳴らす
設定が終わったら、すぐに音を出す。
いきなりシンセを触りたくなる気持ちは分かる。でも最初に触るべきはドラムだ。理由は単純で、リズムがあると「曲っぽさ」が一気に出るから。
Logic ProならDrummerトラックを追加するだけでいい。トラック追加画面で「Drummer」を選べば、自動でリズムパターンを生成してくれる。
やることはこれだけ。
- 新規プロジェクト作成
- Drummerトラックを追加
- 再生ボタンを押す
これで音楽が鳴る。3分もかからない。
他のDAWでもドラムループ素材や簡易ドラムマシンが付属していることが多い。まずは付属音源で十分だ。外部プラグインを買うのはもっと後でいい。
僕がDTMを始めた頃、最初に触ったのもリズム系だった。バンドでギターをやっていたから、リズムマシンに合わせて練習したり、フレーズを練ったりするのが好きだった。スタジオでジャムセッションするような感覚で、リズムに乗りながら「お、これいいじゃん」という発見をしていく。その延長が作曲につながっていった。
DTMの始め方③|コード4つで8小節作る
ドラムが鳴ったら、次はコードを入れる。
ここで重要なのは「凝らないこと」だ。最初から複雑なコード進行を考えると、手が止まる。
最初の目標は「4コードで8小節を完成させる」だけでいい。
定番のコード進行を紹介する。
- C → G → Am → F(王道進行)
- Am → F → C → G(小室進行)
どちらかを選んで、ピアノ音源で打ち込む。白鍵だけで弾けるから、鍵盤が苦手でも大丈夫だ。
Logic Proならソフトウェア音源トラックを追加して、付属のピアノ音源を選ぶ。MIDIキーボードがなくても、マウスでポチポチ入力できる。ピアノロール画面で音符を置くだけだ。
MIDIキーボードがあると作業効率は上がる。ただ、最初の1ヶ月は無くても問題ない。マウス入力で十分作れる。
DTMの始め方④|30秒の曲を「完成」させる
8小節できたら、次は「完成」を目指す。
完成といっても、大げさに考えなくていい。30秒で終わる曲でいい。イントロ8小節、サビ8小節、アウトロ4小節。これで立派な1曲だ。
ここで大事な考え方がある。
最初から良い曲を作ろうとしない。
完璧を求めると、永遠に完成しない。「もっといいメロディを」「もっといい音色を」と追い求めて、結局何も形にならない。これがDTM初心者の最大の罠だ。
僕が完成できなかった時期のパターンはこうだった。「流行ってる曲みたいなのを作ろう」とサウンドや構造を分析して真似しようとする。でも進めるほど「あれ、これ僕が作りたい曲じゃないな」という感覚が大きくなっていく。「そもそもこの曲に似せたところで、本当に売れるのか?」という疑問が頭の中で育ちはじめて、手が止まる。自分が作りたい曲を作っているときはそういう疑問が出てこない。「売れるかどうかわからないけど、でも僕はこの曲が好きだし。」それだけで先に進める。
転機になったのは「とにかく終わらせる」と決めたこと。クオリティは二の次。終わらせることが、次の曲のクオリティを上げる唯一の方法だ。
DTMの始め方⑤|書き出して聴き返す習慣をつける
曲ができたら、必ずオーディオファイルに書き出す。
DAW上で再生するのと、書き出したファイルを聴くのでは、聴こえ方が違う。スマホに入れて通勤中に聴いたり、車で流したりすると、改善点がよく見える。
書き出しの設定は以下でOKだ。
- 形式:WAVまたはAIFF
- サンプルレート:44.1kHz
- ビット深度:16bit
MP3でもいいけど、マスターデータは非圧縮で残しておく癖をつけておくと後で困らない。
書き出したら、最低3回は違う環境で聴く。ヘッドホン、スピーカー、スマホのスピーカー。環境を変えると、ミックスの問題点が浮き彫りになる。
これを習慣にするだけで、上達スピードが変わる。
モニターヘッドホンを1つ持っておくと、ミックスの精度が上がる。制作用と確認用で使い分けると、よりバランスの良い音作りができる。
最初の1ヶ月で「やらなくていいこと」
逆に、最初は手を出さなくていいものもある。
やらなくていいこと一覧。
- 高価なプラグインを買う
- ミックスのテクニックを深掘りする
- マスタリングを学ぶ
- 音楽理論を完璧に理解しようとする
- 他人の曲と比較して落ち込む
これらは全部、後からでいい。
最初の1ヶ月でやるべきは「曲を完成させる体験を積むこと」だけだ。完成させた数が5曲、10曲と増えてから、ミックスや音作りにこだわればいい。
プラグインも同様だ。付属音源で十分に曲が作れるようになってから、足りない音を買い足す。順番を間違えると、使いこなせないプラグインが増えるだけだ。
僕が最初にやらかしたのは、「挿すだけで有名プロデューサーの音になる」系のプラグインを買ったことだ。汎用性が低くて、結局ほとんど使わなかった。プリセットとして入っているぶんには問題ないけど、単体で買うのはおすすめしない。付属音源で作れるようになってから、本当に必要なものを選んで買う。それだけでだいぶ無駄が減る。
2曲目、3曲目で意識すること
1曲完成したら、すぐに2曲目に取りかかる。
2曲目以降で意識してほしいのは「前の曲で気になった点を1つだけ改善する」ことだ。
- 1曲目:とにかく完成させる
- 2曲目:ドラムのパターンを少し変えてみる
- 3曲目:ベースを入れてみる
- 4曲目:メロディを入れてみる
1曲ごとに1要素だけ追加する。欲張らないのがコツだ。
これを繰り返すと、10曲作る頃には「自分なりの作り方」が見えてくる。その段階になって初めて、細かいテクニックが活きてくる。
僕の場合、最初の30曲くらいは人に聴かせられるレベルじゃなかった。でも、その30曲があったから今がある。
まとめ
DTMの始め方をまとめる。
- オーディオ設定を最初に済ませる
- ドラムを鳴らして「曲っぽさ」を体感する
- 4コードで8小節作る
- 30秒でいいから「完成」させる
- 書き出して違う環境で聴き返す
最初から良い曲を作ろうとしなくていい。完成させることが、次の曲を良くする唯一の方法だ。
まずは1曲、何でもいいから終わらせてみてほしい。
DTMの始め方から最初の収益化までの流れをまとめたnoteも書いている。興味があれば参考にしてみてください。
https://note.com/chip_sound/n/n93a05faa5e0c






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