ココナラの音楽ジャンルに出品してから、サービスページ経由の問い合わせがほとんど来ない時期が長く続いた。ゲーム音楽制作15年、ゲーム会社に勤めながらの出品でも、検索から見つけてもらえる状態にはなっていなかった。
その間の売上を作っていたのは、自分から応募する公募案件だ。1曲5,000円の仕事も受けていた。実績を積むための先行投資と割り切っていたが、裏を返せば、2年近くサービスページはほとんど機能していなかったということでもある。
原因はスキルではなく、サービスページの設計ミスだった。設計を作り直し、値上げと広告出稿を重ねてから、月の売上は最大で50万円台まで伸びた。評価は5.0を維持したままだ。
この記事は、そこまでにやったことの全体像をまとめたガイドだ。個別の手法は7本の記事に分けて詳しく書いているので、必要なところから読んでほしい。
サービスページが機能していなかった3つの理由
振り返ると、ページから直接依頼が来なかった時期には明確な原因が3つあった。どれもスキルとは関係のない、ページ設計と事前準備の問題だ。
① ポートフォリオが「1本の動画」だけだった
出品当初のポートフォリオは、複数ジャンルの楽曲をつなぎ合わせた紹介動画1本だけ。「クオリティが伝わればいい」と思っていたが、これが大きな間違いだった。
クライアントは「ホラーゲームのBGMが欲しい」「明るいポップなBGMが欲しい」という具体的なニーズで探している。ジャンルごとに独立したサンプルがなければ、そのニーズに引っかかることすらできない。当時のページは、他の出品者の中に完全に埋もれていた。
② サービスページの設定項目が埋まっていなかった
納期、対応ジャンル、ファイル形式、修正回数。プロフィールの充実や「よくある質問」まで含めると、埋めるべき項目は思いのほか多い。これらをすべて埋めたところ、体感で検索での露出が明らかに増えた。項目を埋め直した翌週から、閲覧数のデータが目に見えて動き始めた。
③ ルール設定がなく、時間と金を失った
受注前にキャンセル・修正・変更のルールを明示していなかったせいで、2回痛い目を見た。
ひとつは、打ち合わせと制作を進めて試聴音源を渡した段階で、突然キャンセルを要求されたこと。事前の取り決めがなかったため、それまでの工数がすべて無報酬になった。もうひとつは、「もっと迫力を出して」「参考曲と同じじゃない」という抽象的な修正要求が止まらなくなったこと。ルールがなければ、クライアントも悪意なく際限なく要求してくる。消耗したのは時間だけでなく、制作へのモチベーションそのものだった。
この3つはすべて、ページ設計と事前ルールの明示で防げるものだった。
売上を支えていたのは公募案件だった
自然流入がほぼない状態で売上を作っていたのは、クラウドワークスやココナラの公募案件だ。1分のBGMを5,000円で受けたこともある。時給換算すれば決して良くない。それでも受けたのは、レビューと受注実績を積むためだった。
公募案件を受注・納品すると売上実績が積み上がり、ページの表示ランクが上がる。閲覧数のデータもそれを裏付けていた。レビューが20件を超えたあたりで公募中心の動きをやめ、サービスページからの依頼に軸足を移した。
ただし公募案件は単価が低く、新規クライアントとのすり合わせにも時間がかかる。「実績を作るための投資期間」と割り切って、期間を区切るのが前提だ。立ち上げ期の具体的な動き方はゲーム音楽の副業で月5万円稼ぐまでにやったことと副業DTMerがcoconalaを始める前に知っておくべきことに書いた。
売上推移を全公開(2022年8月〜2026年2月)
きれいな右肩上がりではない。実際の推移はこうだ。
- 2022〜2023年前半 立ち上がり期。公募案件中心で、月に数万円の水準が続く
- 2023年後半〜2024年2月 初の安定成長期。月10万円台に乗る
- 2024年6〜10月 大きく落ち込んだ時期。月数万円まで後退
- 2024年11月〜2025年7月 急成長・ピーク期。月30万円台で推移
- 2025年8月以降 落ち着き傾向
月のピークは2024年11月で、売上ベースで50万円台。2025年は月平均で20万円台後半だった(いずれも手数料控除前)。
注目してほしいのは2024年半ばの落ち込みだ。一度伸びても、施策を止めれば簡単に落ちる。この谷から抜け出せたのは、サービスページの作り直し、値上げ、広告出稿を同じタイミングで重ねたからだった。安定して稼げるようになるまでには時間がかかる。それがココナラ音楽ジャンルの現実だと思っている。
購入者の4割超がリピーターになっている
売上を支えているのは新規集客ではなくリピーターだ。これまでの購入者は100人を超えるが、そのうち4割超が2回以上依頼してくれている。最多のクライアントとは、100回を大きく超える取引が続いている。
ここまで継続購入が生まれると、新規集客をしなくても売上の一定ラインが安定する。それがリピーターの本質的な価値だ。そして、リピートを生む最大の要因はクオリティではなくスピードだった。詳しくはシリーズ第5回に書いている。
シリーズ記事一覧(全7回)
ここから先は、それぞれのテーマを個別記事で詳しく解説している。上から順に読めば、出品から月20万円までの流れをそのままなぞれる構成にした。
- サービスページ完全最適化術 全入力項目の埋め方、サムネイル、価格設定、広告機能を使うタイミング
- ポートフォリオ戦略 楽曲の選び方、見せ方、ジャンル選定、10枠の埋め方
- 受注率を上げる提案文と返信の型 公募応募文の骨格、ヒアリングの順番
- 評価5.0を維持する納品術 納品メッセージ、トラブル防止、ファイル確認
- リピーター獲得戦略 リピート率4割超を作ったスピード重視の運用
- 単価アップ&時短テク 交渉の切り出し方、オプション設計、テンプレート運用
- コピペで使えるテンプレート集 説明文・見積もり返信・納品メッセージ
まとめ
- 出品しても自然流入が来ないのはスキルではなく、ページ設計と事前ルールの問題
- ページが育つまでは公募案件で売上と実績を作る。レビュー20件を目安に切り替える
- 売上は一直線には伸びない。谷から戻したのはページ再設計・値上げ・広告の3点セット
- リピート率4割超を支えているのはクオリティよりスピードと安心感
ココナラの音楽ジャンルは競合が多い。それでも、やることを順番にやれば数字は動く。まずはサービスページの最適化から手をつけてほしい。












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