この記事はココナラ音楽ジャンルで月20万円稼ぐまでにやったことのシリーズ第3回です。前回はポートフォリオの作り方について書いた。
ページとポートフォリオが整うと、問い合わせが来るようになる。ここから先は、その問い合わせをどう受注に変えるかの話だ。
ココナラには2つのルートがある。クライアントがサービスページから直接購入する「購入型」と、クライアントが条件を提示して出品者が応募する「公募型」だ。この2つは求められるものが違うので、同じ文面で戦うと勝率が落ちる。それぞれの型を書く。
公募案件は「案件を読んだこと」を伝えるだけで差がつく
公募案件には複数の出品者が応募する。クライアントは届いた応募の中からベストな条件を選ぶ仕組みだ。
ここで多くの出品者がやっているのが、定型文のコピペ一括送信だ。読めばわかる。案件の内容にひとつも触れず、自己紹介とポートフォリオのリンクだけが貼られている応募文は、「この人は本当に自分の案件を読んだのか」という印象を与える。
逆に言えば、案件の要件に一言でも言及するだけで差がつく。テンプレートを使うのは効率のために当然だが、そこに案件固有の一文を足すかどうかで印象は大きく変わる。
実際に使っていた応募文の骨格
はじめまして。作曲家の〇〇と申します。 (実績・活動領域を1〜2行) 過去の制作楽曲はこちらからお聴きいただけます。 → YouTubeリンク 【提案内容】 ▼ 納品までの流れ 1. 試聴用ファイル(ショートバージョン)の送付 2. ご確認・すり合わせ 3. 納品ファイル(フルバージョン)の送付 ▼ 納期の目安 制作開始から試聴音源のお届けまで約5日。 正式な納期はご購入後に相談・設定いたします。 ▼ 納品形式 非圧縮WAV形式 ▼ 修正について 軽微な変更(部分的な修正・楽器変更など)は無償対応。 楽曲構成など大幅な変更は都度ご相談させていただきます。 ご不明な点はお気軽にご連絡ください。 よろしくお願いいたします。
ポイントは、流れ・納期・形式・修正範囲の4点を先に開示していることだ。クライアントは複数の応募を比較している。条件が明確な応募は、それだけで検討しやすい。ポートフォリオのリンクはYouTubeがいい。ワンクリックですぐ聴けるかどうかが、そのまま聴かれるかどうかに直結する。
サンプルは新規制作しない
この骨格に加えて最も効果的だったのが、案件の要件に近いジャンル・楽器構成のサンプルをメッセージに添付することだ。
ただし、わざわざ新規制作する必要はない。手元のポートフォリオから要件に近い楽曲を選び、30秒程度に切り出して添付するだけで十分だ。月に10〜20件と応募を重ねるワークフローで毎回作っていたら、時間がいくらあっても足りない。ポートフォリオを整えておくことが、そのまま応募の速度になる。
受注後に「サンプルがイメージに近かった」と言われたことが何度もある。これは偶然ではない。要件を読んだ上で自分なりの提案を持っている、という姿勢が伝わった結果だと思っている。
なお、契約前に無償のオリジナルサンプル制作を求めてくる案件は別だ。これは応募する前に見送る判断をしていい。避けるべき案件の特徴は案件の選び方にまとめた。
問い合わせ返信は「ヒアリング→概算→合意」の順を守る
サービスページへの直接問い合わせは、すでに「この人に頼みたい」という気持ちがある状態だ。だからこそ、ここでの返信が成約率を左右する。
返信で必ず確認しているのは、参考音源の有無だ。問い合わせ文にイメージの参考音源が書かれていない場合は、必ず聞き返す。
イメージしている楽曲や、参考になる音源はありますか? あるとイメージのすり合わせがよりスムーズになります。
参考音源があると、クライアントのイメージと自分の制作物のギャップを事前に把握できる。「完成してから方向性が違った」という最悪の手戻りを防ぐための、いちばん重要なヒアリング項目だ。
その後の流れは4ステップで固定している。
- ヒアリング 参考音源・用途・尺・納期希望・予算感を確認する
- 概算提示 制作日数と金額の目安を伝える
- 口頭合意 正式な見積りを送る前に、その条件でいいか確認を取る
- 正式見積り・受注
大事なのは3番目だ。いきなり正式見積りを送ると、金額だけを見て離脱するクライアントがいる。「このくらいの予算感でいかがでしょうか」と先に確認しておけば、双方の認識を揃えた状態で正式なやり取りに進める。
ヒアリングは一度でまとめて聞くこと。小分けに質問すると往復が増え、クライアントの熱が冷める。ココナラに依頼する人は「ネット完結で手軽に頼める」ことに価値を感じているので、やり取りの回数はそのままサービスの質として受け取られる。
採用されないときは、考えても仕方ない
公募で採用されないとき、理由を教えてくれるクライアントはほとんどいない。大半は無返信だ。
これは仕方のないことだと思っている。公募のメリットはクライアント側にある。複数の応募者からベストな条件を選べることが、そもそもの仕組みだ。採用されなかったということは、価格・ポートフォリオ・納期・相性のどれかが他の応募者より弱かった、それだけのことだ。
他の応募者の手札は見えない。落選の理由を推測しても改善につながらない。自分が出せる最高の条件を提案し続けること。それが公募で結果を出す唯一の方法だ。
レビュー20件を目安に公募を卒業する
ここまで公募案件の話を書いてきたが、公募中心の動きは早めに終わらせたほうがいい。
単価が低く、新規クライアントとのすり合わせに毎回時間がかかる。僕はレビューが20件を超えたあたりで公募中心の動きをやめ、サービスページからの依頼に軸足を移した。実績が積み上がれば、自然流入とリピーターで回る体制に移行できる。
1曲5,000円のような案件を受けていたのも、この実績作りの期間だけの話だ。レビューが揃った後は、低単価案件は基本的に受けない。同じ低予算案件でも、実績ゼロの時期に受けるのと、実績が揃った後に受けるのでは意味がまったく違う。期間を区切って割り切るという前提が抜けると、ただ消耗するだけになる。
まとめ
- 公募型と購入型では求められるものが違う。同じ文面で戦わない
- 公募は「案件を読んだ」ことが伝わるだけで差がつく。テンプレート+案件固有の一文
- 応募文では流れ・納期・形式・修正範囲の4点を先に開示する
- 添付サンプルは新規制作せず、ポートフォリオから切り出す
- 問い合わせ返信は参考音源の確認から。ヒアリング→概算→口頭合意→正式見積りの順を守る
- 落選理由は考えても仕方ない。最高の条件を出し続けるだけ
- レビュー20件を目安に公募を卒業する
受注が取れるようになると、次の課題は評価の維持になる。次回は評価5.0を維持するための納品の作法を書く。
次の記事:評価5.0を維持する納品術(近日公開)
シリーズ目次:ココナラ音楽ジャンルで月20万円稼ぐまでにやったこと











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